人口減、低収入高支出で地域はいかに他の地域に勝つか

イノベーションを扱うプロデューサーやよく勉強をした起業家は、

相手も自分と同じように合理的に判断する、

という思い込みで失敗します。

これは地域行政、自治体の地域活性化や地域振興にも言えることです。


競争に勝つために必要なのは、

「こういう理屈だから、みんなこう考える」

という楽観ではありません。


常に具体的な努力が必要です。


そのためには、企画者側や地域側の思い込みではなく、

大衆への理解と冷静な危機感が必要です。


企画家の渡辺です。


私は性的マイノリティに理解はありますし、
様々な友人や知人がいます。
テレビやマンガから得た知識を疑い、
書籍を数冊読み、修正を試みましたが、その程度です。
特別に勉強をしているわけではありません。

「それで充分」

ということはありませんが、
向き合い、話すことはできます。

この上で、成人以降の落ち着いた性的志向は、女性に向いています。
自己判断で、自分の性質は「男性」と考えています。


なぜ、こんなことを書いたのか?


当たり前と思っているところに、
ビジネスの欠陥や亀裂があることをお話しするためです。


Webにおいて、登録するシーンやアンケートなどで「男・女」を聞かれます。
気の利いた風のところでは「その他」が加わっていたりします。

おおむね2択、時折3択、といったところです。

現実主義者は、「男女」で分けるのが当然と思っていますし、
「その他」を加えた頭のいい現実主義者は、これで充分気をつかっていると考えています。

しかし、この考えは誰の目線に立っているものでしょう。
少なくとも、聞かれた側には、何のメリットもありません。

「お客様のために有益な情報をお伝えする」


誰が頼んだのでしょう?
コンサルタントが言うまま、あるいは、周囲がみんなやっているから、
言い訳を取り払っていくと、こんなところに落ち着きます。

このワンクリックでお客様の時間はわずかですが奪われますし、
強烈な不快感を生む可能性もあります。


安易にリストを集めようとしないでください。


人は、数値化されることで落ち着くこともありますが、
それが「取得」を目的にされるとおおむね忌避します。



性別、年齢、趣味を聞くことで、
ピンポイントな広告を打てる、という理屈は私には関係ありません。

リストを取得して得なのは誰か、
そこから送られた広告で買い物をするのは誰か。

あなたのサイトにとって、このリレーションシップは、正しいのでしょうか。
登録やアンケートの状況によって、事業と消費者の間のPR(公的関係性)が崩れます。


悪い口コミの可能性の発芽です。
たかが男女を聞いただけで、と思うかもしれません。

しかし、少なくとも私がアドバイジングに入った場合は、
こういった細かい点を徹底的に指摘します。
うんざりするでしょう。

ですが、そのことによって、お客様の1分が効率化されるのです。
あなたの1分ではありません。

効率化の意味を生産性命と考えているのなら、
あなたの事業において、従業員は奴隷です。
ものづくり力もなく、企業への忠誠心もない集まりです。

PRは経営者と勤続者の間にも存在します。

地域活性、振興にも関わりがあります。


リストを取得した企業は、多くの広告を扱うことができるようになります。
広告収入によって、自社の製品やサービスの価格を大きく引き下げることができます。


広告、セールスを私は否定しません。
それどころか、推奨します。


快適な暮らし、衣食住に関わる情報、
健康、美容、高機能高性能な製品、
お買い得な商品など、


適切な情報が折込チラシやWebからもたらされることは、
適切ではない広告をもらったり目にするより、よほど気分を害しません。

広告やセールスがなければ、経済は止まってしまいます。


これは少し考えればわかるので、説明は割愛しますね。


さて、その企業に勤めている人すら知らないかもしれない危機的状況が迫っています。

金融円滑化法案の期限です。
来年3月。
>>中小企業金融円滑化法


中小企業の大量倒産は避けられないでしょう。

この状況をコンサルタントやアドバイザーは、専門、得意分野問わず、認識しています。

優秀な不動産系のコンサルタントから相談を受けています。

「この状況でマンションを建てようとするオーナーや不動産業、建築業は頭がおかしい」

まとめるとこのような話しです。

倒産まで行かない場合は、地域金融機関が融資を導き出せる形でコンサルタントに入るでしょう。
地域銀行などは、というより、銀行は無限に資本を持っているわけではないので、
当然、不動産ローンなどの設定は優遇されなくなります。
次に、中小企業の地域へのパワーが減ると、一気に人が離れていきます。

現在、暮らし、遊び、仕事を同じ地域でする傾向が強まっています。
逆をいえば、働く先がない地域にいる必要はなくなるのです。

すでに、都内新築を含む10年未満のマンションの居住率は7割を切りつつあります。

これはオーナーがローンを払えるか払えないかのギリギリのラインです。
共倒れするのは、不動産業、建築業です。


打開策の一提案、はこちらのブログ記事を参照

地域の穏やかな生活を維持しつつ、収益を確保する提案
http://sozoku-sos.seesaa.net/article/290145368.html


全企業の99.7%が中小企業です。


地域に影響が出ないはずもありません。

対策を打っている地域はあるでしょうか?


孤立無援の社長は、何万人いるのでしょう。


これらの再生に不可欠なものは、金融機関による目利きだけではありません。

そもそも、目利きをして融資をするまでのタイムラグで倒産するくらいです。

企業のコンセプト、コアコンピタンスを見出しつつ、
即日〜短期の収益を確保し、
経常利益のマイナスも0に近づけていく力は、
金融機関や専門性が高すぎるコンサルタントには不向きです。


打開策は、では、ないのでしょうか。


地域においても同じです。
企業の倒産、人口の減少はダイレクトに行政に響きます。


今後、はっきりと地域に差が出ます。

人口がダダ漏れするように減少する地域と、
公立校を新しく建てなければいけないほど、
人口が激増する地域に、明確に分かれます。

10年後、いえ、5年後には、誰の目にも明らかになります。



不況は、現在は大企業に影響を与えている状況ですが、
これが中小、個人レベルにまで影響を与えます。


今も不況を感じている、というかもしれませんが、
これはまだムードです。


本格的な不況は、これからです。

(この項続く)


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参考ブログ

売れないものを作り続ける日本のセンスと日本人飛ばしをはじめた日本企業
http://hiiragi1978.seesaa.net/article/293123908.html

終の棲家を失わない地域シェア〜世代間の問題をクリアにする隠居ベーション
http://d.hatena.ne.jp/Eisuke1102/20120916/1347824341

「PR」を理解しない国、日本。断続的な関係性では、大きく収益を損なう。
http://hiiragi1978.seesaa.net/article/292803724.html

いつになったら大田区は有名になるのか?盛りだくさんすぎてかえって目立たない東京23区
http://hiiragi1978.seesaa.net/article/292860597.html





元気いっぱいに勝るPRはない〜人の集う場所、関係性
http://ameblo.jp/nabe-rx/entry-11357663428.html

日本の「アイドル」VS徹底的にローカライズされたアジア・アイドル
http://hiiragi1978.seesaa.net/article/292637090.html

あなたの街を救う!地域アイドル!その凄さを検証する
http://hiiragi1978.seesaa.net/article/293025010.html



電子書籍で「大衆誌」を作りませんか?
http://d.hatena.ne.jp/Eisuke1102/20120917/1347897109



筆者 渡辺英輔
企画家。軍師。
飲食販売業、中小企業への指導助言を数多く行う。
大病を患った後はアドバイスメインの業務となっている。
メジャー映画から地下アイドルまでのプロデュースに関わる。
脚本家、作詞家。
裁判員経験がある。制度凍結派。そのため取材執筆の依頼は多い。

平日夜は喫茶柊のマスター。
中1の時、おはスタの前身番組
「おはようスタジオ」にてメジャーデビューしている。